愛知県田原市 チームやらまいかこだわりトマト部会 小川 安夫さん

愛知県田原市 チームやらまいかこだわりトマト部会 小川 安夫さん

渥美半島は愛知県の南端にあり、北は風光明美な三河湾、南は勇壮な太平洋に囲まれ、半島の中央には蔵王山、衣笠山を擁するなど、海と山の豊かな自然に恵まれた地域です。今月の産地だよりはこの地で、モスのトマトを生産している「チームやらまいかこだわりトマト部会」を紹介します。

前向きな「やらまいか」精神

チームやらまいかの「やらまいか」とは、渥美半島や静岡西部の方言で「やってみよう」「やろうじゃないか」という意味です。チームやらまいかは渥美半島を中心としたその地域の農家さん達が集まり「美味しくて安心安全な農産物をお客さまに届けたい」という思いを持って活動しているグループです。その中のトマト部会には、現在4名の個性豊かな農家さんがいて、それぞれ前向きな「やらまいか」の精神を持って、日々トマトを生産してくれています。
広大な平野にトマトハウスが点在します。

広大な平野にトマトハウスが点在します。

ハウス内の様子

ハウス内の様子

モス用のトマト作り

まず訪問したのは、トマト部会長の小川安夫さんと荒木正明さんのハウスです。毎回、小川さんとその奥様と息子さん、荒木さんの4名揃って、満面の笑顔で迎えてくれます。
「モスで使用してもらえる美味しくて大きいトマトを目指して農業をしています」といつも話してくれる小川さんは57歳、農業従事歴は34年を超えるベテラン農家さんです。昔ながらの竹でできた土耕ハウスや、養液で栽培するハウスなど、様々な形でトマトを栽培されているのが特徴的です。
「売り先が分かるモスとの取引は楽しいですし、気合いが入ります。黒板で名前を見るとうれしくなります」と小川さん。
「今後も酸味が程良くあって、断面の綺麗なトマトを目指して作って行きます」と、この日も力強く語ってくれました。
荒木さん(左前)と小川さん一家

荒木さん(左前)と小川さん一家

昔ながらの竹でできたハウス

昔ながらの竹でできたハウス

竹ハウスの内部の様子

竹ハウスの内部の様子

盆栽のように美しいトマト

次に訪問したのは、石井和弘さんの畑です。石井さんは全国の協力農家さんの中でも、トップクラスの腕前を持っています。石井さんの凄さはハウスに入った瞬間に分かります。ハウスの中のトマトが、まるで盆栽のように、樹の高さ、葉の向き、実の付き方などその全てが揃っているからです。まさに芸術品ともいえる美しさです。
「揃っているのが楽しいから」と石井さんは笑いますが、普通ではこうはなりません。苗の頃からの徹底した管理、畑の場所による灌水の量の変更など、日々様々な調整が必要になります。
「揃っていると収穫やその後の管理が容易ですし、品質も一定します」と石井さん、高品質のトマトを安定的に生産する秘訣がここにあるのかもしれません。
やさしい笑顔の石井さん

やさしい笑顔の石井さん

ハウス内の様子

ハウス内の様子

収穫を待つ石井さんのトマト

収穫を待つ石井さんのトマト

トマト作りがとにかく好き

いつものように畑でトマトの味を確認します、味の濃い美味しいトマトです。よく私達は、トマトの品種を気にしますが、石井さんのトマトを食べると、それは味を決める要素の一つでしかないことに気付かされます。石井さんのトマトはごく一般的な品種だからです。品種は一般的なのに、美味しいトマトが出来る、そのために石井さんは様々なことを行っています。自家製のぼかし堆肥や、分子を細かくした灌水用の水、生育初期の手灌水など、取り上げるとキリがありません。
「トマトに良かれと思ったことは、色々何でもやってあげる」それが石井さんのポリシーだそうです。
「手間がかかりますけど、トマト作りが好きですから、ほとんど趣味の世界です」と石井さんは笑います。
石井さんから話しを伺います

石井さんから話しを伺います

土の状態を確認する石井さん

土の状態を確認する石井さん

大きくて美味しいものを作る

最後のメンバーは藤井友美さんです。藤井さんは、浜名湖の西側の湖西市で栽培をしています。お父さんの後を継いでトマト栽培を始めた頃は、とにかく美味しいものを作りたいという思いで、水を切り、糖度は高いけれどもサイズは小さいというトマトを栽培していたそうです。ところがチームやらまいかと出会い、考え方が変わったと言います。
「大きくて美味しいものを作るのが農家の使命、それに気付きました」と藤井さん。今では水も含め不足する栄養素を適時に満遍なくトマトに与えることによって、大きくて美味しいトマト作りに取り組んでいます。
メンバーの中では最年少の藤井さん、今までは教わることが多かったのですが、最近では、チームやらまいかの農法を尋ねてくる全国のトマト農家さんの研修の窓口になっています。
「教える立場になると責任感が出てきます。間違ったことを教えられないですから、私自身ももっと勉強しなくては思います」と藤井さん。
「ただ自分のトマトもまだまだ、毎年難しいことが増えてきて大変、でもそれが楽しかったりするんです」と藤井さんは前向きに笑ってくれました。
大きくて美味しいトマトを目指しています

大きくて美味しいトマトを目指しています

樹で真っ赤に熟した藤井さんのトマト

樹で真っ赤に熟した藤井さんのトマト

最後に一言

最後に藤井さんに、お客さまにむけて一言頂きました。
「自信を持って作っているトマトです。ぜひその味を確認しながらモスバーガーを食べて下さい!」
メンバーの中では最年少の藤井さん、今までは教わることが多かったのですが、最近では、チームやらまいかの農法を尋ねてくる全国のトマト農家さんの研修の窓口になっています。
「個性的な農家さんが理念で繋がるチームやらまいかこだわりトマト部会のトマトは、11月〜7月頃まで、中京と関東の店舗に出荷しています。是非その味を確かめてみて下さい!
Text by Yagi