産地だより 2016年7月

2016年7月
石川県小松市
JA小松市施設園芸部会 特栽チーム
代表生産者 北 孝栄さん

西には日本海が広がり、南東に霊峰白山を望む自然豊かな石川県小松市。小松空港から車で15分のところにJA小松市はあります。このJA小松市の中に有志5人が集まった特別チームがあり、これが「JA小松市施設園芸部会 特栽チーム」です。

JA小松市のトマト栽培の始まり

この地では昭和30年ごろからトマト栽培が始まり、今年で51年の歴史を誇ります。この歴史の中先人たちの絶え間ない努力の末、北陸3県の中でも有数の産地として成長を遂げ、現在JA小松市でトマトを栽培しているのは60名弱にもなる大きな産地となりました。
その中で、更なる飛躍をめざし、化学農薬も化成肥料も50%カットする特別栽培に取り組もうと5名の有志が集まって、JA小松市施設園芸部会 特栽チームが結成され、現在北陸のモスバーガーにトマトを出荷しています。

トマトのハウスの様子

トマトのハウスの様子

ハウスの中の様子

ハウスの中の様子

トマト栽培のこだわり

農薬についても可能な限り減らす努力もしています。
「農薬はもともと散布量の少ない作型で予防のため最低限撒きますが、間違って使用しないよう表と照らし合わせて細心の注意を払っています。ハチにも働いてもらわないといけませんし。」とメンバーの本田さん。
花が咲き始めるとマルハナバチが活躍します。ハウスの通路に置かれた箱がマルハナバチの巣です。ここから飛び立ったマルハナバチはトマトの花を渡り歩いて受粉をサポート。自然の力をうまく利用しながらトマトは育てられているんですね。

入口には網を設置。害虫の侵入を防ぎます

入口には網を設置。害虫の侵入を防ぎます

通路に置かれたマルハナバチの巣

通路に置かれたマルハナバチの巣

トマト栽培の進化

小松トマトは更なる進化を続けています。
一部のハウスにつるされている小さな箱。この中にはいろんなセンサーが組み込まれており、気温はもちろん、湿度や日照、二酸化炭素の濃度まで計測、遠く離れた場所でも携帯端末でハウス内のことを確認・管理することができます。こうして蓄積されていくハウス内のデータをもとに、おいしいトマトができる最適な環境を模索し続けています。
また、ハウスの屋根を2重構造にして、断熱効果を上げるための工夫もされてます。

いろんなセンサーが組み込まれたITC機器

いろんなセンサーが組み込まれたITC機器

2重構造になったトマトハウスの屋根

2重構造になったトマトハウスの屋根

今年は春先に風速30mを超す爆弾低気圧で一部ハウスのビニールが破れた以外は、特に問題なく、今、1~2段目の収穫しているところで生育は順調だそうです。
ここ最近の天候の影響で色つきが遅れているものの着果は問題ないとのこと。畑を見るとたわわに実がつき、赤く熟すのを待つばかりです。

たわわについたトマト。赤くなるのを待つばかり

たわわについたトマト。赤くなるのを待つばかり

色つき始めたトマト

色つき始めたトマト

北さんからのメッセージ

「モスバーガーさんは北から南までトマト産地リレーを構築されているかと思いますが、私たちもその一端を担えたらと思っています。」
こちらこそよろしくお願いいたします。これからもおいしいトマトを作り続けてください。

箱詰めされたトマト

箱詰めされたトマト

JA小松市施設園芸部会 特栽チームの皆さん

JA小松市施設園芸部会 特栽チームの皆さん

Text by Harumaki